最近ボードのご相談をいただく際、今乗るボードの厚さをお聞きして大分厚めなボードに乗られているなと印象を受けることが多々あります。

特にリッターチョイスでボードを手にされた方が、特に多いかなといった印象です。


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厚めな明記サイズであっても、シェイプのボリュームの違いで同じ厚さでも浮力感は変わって来るかと思います。

マシンでおおまか形づくった後の仕上げるシェイパーの違いによっても、リッターは同じでもフィーリングは変わって来るものだと思います。

同じメーカーの同じモデルをずっと乗っていくなら、このリッターチョイスってかなり参考になるかとは思いますが、メーカー(シェイパー)やモデルが変わりトータルなバランスで考えると同じリッターでチョイスするっていうのも矛盾が生じて来るものでしょう。

ヨシノシェイプはマシンを使わずハンドでシェイプしているのでサイズ提案させていただいた際に「リッターはいくつになりますか?」って聞かれることもありますが、全く分かりません(笑)

他のメーカーのリッターボードに乗ったり、長年の多くの体型やレベルなどと様々に違うお客様との経験からはおおよそはこのくらいのものなのかなと予想は出来ますが。

大手メーカーのサイトで気になるモデルがあったら、「このボードなら自分ではどのくらいなのかな?」とリッター表を見てみることがあるのですが、まず長さでチョイスするとリッター数が上がり厚さが凄く厚くなります。

そこで厚さで選んで見てみると、長さがえらい短くなってしまったりと???って感じです。

実際ご相談いただくお客様のボードが長さは良くても妙に厚いボードをチョイスされているなと疑問をお聞きすると、「パドルやテイクオフは何とか楽で楽しめてはいるんだけど、乗るとフワフワ走るだけでコントロール感を楽しむのが難しく、レールも入れづらくターンも思うように楽しめないんですよね~」とご相談をいただくことも多々あります。

そんなボードを手に入れる上で、厚さってどうやって決めれば良いかといったところを書いてみたいと思います。

ボードの厚さを決める要因として、身体的なところでは体重やサーフィンスキル、感覚的なところでは浮力感、スキルやライディングスタイルによって求められる安定感やレスポンス感などといったところが考えられます。

ロングボードや長いミッドレングスなどにおいては、加速やターン、またコントロールやパフォーマンスをする上でのウォーキングやステップをするためのしっかりと支えられる強い浮力感や安定感が必要になり、厚さ、そしてワイドも大切になって来るでしょう。

沖に出るにもプッシングスルーやシッティングスルーなどでゲッティングアウトをすることになり、長く大きくなるほどドルフィンも出来なくもなって来て不要な要素となるので、大きな浮力でもメリットは色々高まって来ると言えると思います。

ただ短めなミッドレングスやショートボードでは、ボードの長さが短くなるほどパフォーマンスをハードに攻めるのに後ろ足のステップバックは少しあったとしても、滅多にステップでボードの上を移動してコントロールすることはなく、まずはパドルやライディングにおいていかに身体を支える浮力や安定感が必要になって来るかを考えられるようになります。

サーフィンを楽しむコンディションにおいては、ゲッティングアウトをするためのドルフィンスルー(ダックダイブ)のしやすさといったところの考慮も必要になるでしょう。

パドルやテイクオフにおいては確かに浮力が高いほどメリットになることはあります。

ただ体型やレベルにおいて必要以上に厚さを持たせて浮力が強すぎると(オーバーフロート)、風が強く海面が荒れたコンディションを拾い不安定感を感じたり、スロープの緩い厚いクリーンなブレイクでは滑り出させるのも楽に感じつつも、波にパワーが出て来たり掘れ上がって来ると波からのパワーをかなり受けやすくなりコントロールが難しくなって来るといったデメリットが生じて来るかと思います。

ライディングにおいても浮力がありすぎることは、メリットとしては浮力が大きくワイドも大きくなるほどに安定感も高まり、まるで船に乗らされて走っていくかのような乗りやすさは得られるようになるでしょう。

まだ波にテイクオフ出来ないといった初心者に限っては、波に乗って立つといった段階まではむしろこのオーバーフロートな船に乗らされているかのようなボードに乗り練習をすることがテイクオフへの近道になることは確かであるとは思えます。

しかしテイクオフが出来るようになり、横へのアプローチやライディングを練習に楽しむスキルになって来ると、直進安定性は良くともオーバーフロートな余計な浮力はレールを入れづらくターンが難しく感じてしまうようになり、ボードコントロールも困難に加速やパフォーマンスも難しくなって来るでしょう。

アップスでレールワークを繰り返し加速に繋げるにも、しっかりボードやレールを踏み込め、そしてリリースによる反発も利用できることでサーフボードを加速に繋げられるようになります。

カットバックやリッピングなどのトップターンといったパフォーマンスを攻めるなら、やはりしっかり踏めてリリースによる反発を活かせる体型やレベルに合ったレスポンス感をしっかり感じられることが、自分にとっての思うような気持ちいいサーフィンへと導いてくれると思います。

「オーバーフロートは悪なのか?」なんてYOUTUBEなどでプロサーファーがオーバーフロートなボードに乗りサーフィンする企画なんかありますが、あれを見ていてもプロだから上手く乗っていますが、やっぱり攻めづらさや乗りづらさは感じてるんだろうな~って印象は受けますよね。

オーバーフロートでも踏めれば反発をメリットに活かせることはあります。
特にパワーレスな小波ではメリットが高まるので、小波用やオールラウンドボードでもあまり大きな波ではやらないって方は踏める程度に余裕を持たせても良いかとは思います。

でもありすぎるとオールラウンドに楽しむボードとしてなら、オーバーフロートはやっぱり何かとやりづらくなって来ると思えます。

マシンシェイプでのボードを提供するマーケティング的な手法や目安としては、リッターチョイスってのもかなり便利になったボードチョイス目安になったとは思います。

ただ間違ったチョイスでは、デメリットなことが多くなるのかな~と相談いただくお客様と接していて感じるところもあります。

個人的にはリッター表でジャストフィットならそれでも良いかと思いますが、自分なりに求めるところあればやはりオーダーに相談されるのが良いのではないかなと思えます。

勿論レベルや年齢、またサーフィンを楽しむ環境やスタイルによって乗るボードに余裕を持たせて乗りやすくするといったことも凄く大切ではあると考えます。

私達はその中でも、少しでもユーザー様の現状や今後を考え寄せるサイズバランスを提案させていただくよう努めています。

ハンドシェイプなのでリッター表記やお伝えすることは出来ませんが、長年の多くの体型やレベルなど様々に違うお客様のデータを持つ中から、少しでもユーザー様が扱いやすく乗りやすい、適正サイズと知ってもいただけるサイズをおすすめしております。

その辺もジャストフィットに調子の良いシェイプのボードが欲しいといった方は、ぜひ感じられてみていただきたいところでもあります。

同じ体型で、たとえ同じようなレベル域でも、おすすめするボードやサイズは変わります。

ぜひその辺もサーフボードのカスタムオーダーとして楽しんでいただきたいと願うところです。

先日オーバーフロートなボードに乗る機会があり感じたことを書いてみました。
個人的に思うところはサーフボードを船のように乗らされ漂うかのように楽しむのか?
それとも自らのコントロールに乗って行けるサーフボードで楽しむのか?攻めるのか?ってとこのチョイスで変わって来るのではないかなと考えます。

乗るボードに余裕を出すなら、勿論浮力アップもありますが、浮力を高めるということよりも別のところにバランスがあるんじゃないかなと。

ご参考までにお読みいただけたら幸いです・・・