前回のブログでは、ひとまずHYBRID FISHのコンセプトやアウトラインなどの特徴について説明してみました。

ではインプレッションを書いてみたいと思います。

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パドル性能

ノーズ寄りに膨らむマックスワイデストなノーズアウトラインにより、大変安定感高く、パドルでボードをプッシュしやすく、加速感の気持ち良いパドリング性能。

ちょっとサイズある波数多いドルフィンを繰り返すコンディションでもサーフしましたが、安定性、推進性、加速性が凄く良いので、苦に感じることなくハマることもなくゲッティングアウト出来ました。

南西よりの強風で流れがある時でも、ポジションキープのための移動も苦には感じないほど快適にサーフ出来ました。

波をキャッチする際、波を追い入り込み際でも、ストレスなく移動することが出来て波をゲット出来ます。

ひと漕ぎごとの推進性や加速性を感じられるので、連続でパドルしても疲れを感じないくらい。

ロッカーもないので、海面にベタッと張り付く感があり、安定も良く、快適にパドリングを楽しむことが出来ました。

テイクオフ性能

滑り出しは、ローロッカーということもあり、厚いポジションから滑り出させるにもスススッと走り出すスイッチが速いですね。

テイクオフが”早い”というよりも、テイクオフが”速い”といった感じです。

厚いポジションからノーズに荷重してパドルとプッシュで滑り出させるのに、大きくワイドなノーズを思いっきり使える感じ。

センターよりもノーズ寄りにマックスワイデストを持つ膨らむノーズラインは、パドルでの胸の前辺りに余裕のあるワイド感とボリュームを感じ、胸でノーズを押し出すようにパドルすると、ノーズから牽引されるかのように加速していく感じです。

そしてスムースにテールへと流れる水の流れと揚力を感じるように、スルスルとスムースに前へと走って行きます。

このノーズのメリットは、目一杯利用して欲しい所です。

自分は短めにシェイプしてもらったので、頭の位置がノーズに近いほど結構ノーズよりです。

それでもパーリング心配は感じませんでした。

割れそうで割れないといった波は無理ですが、割れそうで割れない感じでも、とりあえずブレイクする波は乗れない波はないほどにテイクオフ性能に満足しています。

掘れる波やワイドに速いブレイクであっても、テイクオフの滑り出しの”速さ”がカバーしてくれる感じです。

ライディングフィーリング

テールラインがストレートなフィッシュに比べると、ドライブ性の伸びというところでは劣って来ますが、明らかにターンの柔らかさ、反応の早さ、強い回転性をファーストターンから感じさせられます。

このモデルのコンセプトイメージとして、まずはグッドな反応です。

小さいフィンに間違えると、テールが動きすぎるほど反応の良さを感じます。

ロッカーとボトムシェイプによりカバーされており、ドライブにおいてもコントロールが可能。

ドライブ性とターン性能のバランスが上手く機能出来ていると感じます。

トラディショナルなノーズアウトラインは、安定感の高い乗りやすさと加速での高いメリットを感じられます。

アクション不可能な繋ぎのフラットセクションでは、トリムしやすくスピードもキープに前へ前へと走り、ノーズライドの推進力と安定性もよく、きっちりインサイドまで気持ちよくクルージングするのも面白い。

カーブを持つテールラインによりレールワークが軽く感じられるので、アップスでのレールトゥレールでの切り返しも柔らかさを感じるほどに軽快で、ピヴォットにマニューバーを描くのも面白い。

トップアクションへのアプローチもレールターン軽く、テールエンドラインのバンプで切り替わるストレートなラインがターンの伸びと安定感を感じさせてくれて、気持ちよくリップアクションでも攻めさせてくれます。

この辺のデザインによるポテンシャルもコンセプトイメージどおりにグッドなフィーリング。

ロッカーはローロッカーを採用しているので、やはりスピード性は滅茶苦茶高いです。

テイクオフでは早いポジションからテイクオフすれば、ノーズフリップを設けていることもあり掘れたブレイクでも刺さることはまずないと思えるほどです。

それだけ速いです。

ワイドに速くブレイクするコンディションでも、テイクオフが速くアプローチも早いので、柔らかいレールワークのしやすさもあり、アップスでグングン加速を楽しめます。

ノーズ寄りなマックスワイデストデザインのノーズアウトラインからの牽引を感じる推進加速、そして柔らかいレールワークによる加速で、速いブレイクも楽しくなるほど。

コシ~ハラといったワイドで速いブレイクのコンディションで、周りが潰され抜けられず苦戦する中、高速で消えていくフェイスをカッ飛んで走り抜けていけた今までに感じたことのないレールワークフィーリングとハイスピードフィーリングは、凄く新鮮で一気に病みつきにさせてくれたのをテストライドの中でも特に覚えています。

ハイスピードで抜けた後も安定感とキープスピード力も高く、厚くなっていくフェイスをボードを回しやすくフェイスにフィットするかのようにカットバックで戻ることが出来ます。

この時のレールワークの柔らかさも、モダンなアウトラインからのフィーリングと感じるところです。

とにかくこのHYBRID FISHはフィッシュならではと感じられるスピードと、コントロール性の軽さを感じられるようになる回転性良さががバランスよくミックスされているのが大きな特徴と感じられるフィッシュだと思います。

トラディショナルフィッシュデザインとモダンフィッシュデザインの良い所どりなデザインとして、モダンフィッシュデザインとして上手く機能出来ていると感じています。

小波やパワーレスなブレイクのスロープの緩い厚いブレイクでの走りの良さ、軽快さのあるコントロール性がイージーに楽しめるフィッシュとしておすすめできますね。

スロットルチャンネル

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今回、よりドライブ性をボトムシェイプでカバーする意味もあり、テールエンドのツインフィンの間に1本のチャンネルを入れてシェイプしてもらいました。

このチャンネルをテールに入れることで、チャンネルを流れる水流によりテールに揚力が発生します。

このスロットルチャンネルを入れることによるメリットは、次のことが言えるかと感じます。

加速の更なる伸びを良くするために
チャンネルに水流がまとまりテールエンドを一気に漏れが少なく抜け切るため、水抜けの良さと揚力によりリフトにより、更なる加速の伸びを見込める

速いブレイクのショルダーを益々かっ飛び抜けやすくするために
アップスで荷重しリリースする際、揚力によるテールリフトが水抜けの良さとプッシュ力にも繋がり、更なる加速の良さを感じられることが見込まれる

ドライブターンからの荷重リリースの時に更なる伸びと軽快さを感じるために
やはりテールに生じる揚力により、ドライブターンでの荷重からのリリース時にテールのリフトがボードコントロールも軽くすることができ、ターンの伸びも可能にできる

縦へのアプローチを軽々に軽快にするために
ボトムからトップアプローチする際、テールのリフトが生じることで、ボトムからボードがフワッと浮き上がるかのように素早くトップへ運ばれる軽快な無重力フィーリングを得られる

トッでテールをルースに回しやすく軽快なリリースをしやすくするために
トップアクションでも、やはりテールのリフトによりテールを蹴りやすく回しやすく、リエントリーでのリリースも素早さと軽快さを感じることが可能

例えて表現すれば、テールの揚力をエネルギーとするターボエンジンといったところ。

ただ、デメリットを言うとすれば

揚力によるテールリフトがルース感を強く感じさせてしまったり、不安定に感じてしまう所がある

海面が荒れたボヨついたオンショアコンディションなどで、テールリフトになることがコントロールしづらく感じてしまう場合があると感じたところ。

またサイズあるパワーのあるコンディションで、スピードがつくほどリフト感がアップするのか、妙にテールがルースしてフィンアウトなコントロールになってしまいました。

テールレールラインによる反応も益々よくなるので、ドライブアップやルースを抑えてのライディングをする場合は、ベースの広い大きめなキールフィンの方が相性良く楽しめると感じます。

比較的スモールコンディションの方が、このチャンネルを入れるメリットが高まるのではと感じるところです。

好みにもよりますね。

ただ高いメリットと妙な面白さは感じており、ぜひ試されてもみて欲しいオプションです。

このHYBRID FISHにも凄く相性いいと思いますよ。

簡単にHYBRID FISHを表現するなら・・・

パドル、テイクオフが楽ちんで、良く走り、良く動き回るフィッシュ!

といったところだと感じています。

ご興味いただけお悩みの方は、ぜひご相談お待ちしております・・・